はじめに
M&Aは、会社や事業の売買を指す言葉ですが、
日本には様々な会社があり、その数だけ経営者様がいらっしゃいますが、ほとんどの経営者様はM&Aを経験することはありません。
そこで、M&Aを検討し始めたタイミングで知っておきたい、
“M&Aのリスク”を今回は解説させて頂きます。
M&Aのリスク種類(売り手)
買い手が見つからない
売り手として、M&Aの話を進めていく最初のハードルが、「買い手が見つからない」ということになります。
通常の商品と同じように、M&Aでも”売却対象(商品)の質”と”買い手候補に知られているか”が必要になります。
どれだけ人脈を活かして買い手候補に当たっても、売却対象の事業や法人が買い手候補にとって魅力が低ければ買ってもらえないでしょうし、逆にどれだけ魅力的な案件だとしても、買い手候補がそんな会社や事業が譲渡しようとしているということを知らなければ、買うことはほぼありません。
とはいっても、よい買い手を見つけてくるというのは、社長業をこなしながらでは非常に難しい方法になります。
そのため、M&A仲介事業を営むアドバイザーに依頼することをおススメしています。
買い叩かれる
M&Aでの譲渡を考え始めた経営者様にとって、大きな関心ごとが譲渡価格でしょう。
そもそも、現在の法人・事業の価値がいくらなのかをご存知ない経営者様はとても多いのですが、そのような状況で買い手企業と直接交渉すると、買い叩かれるリスクが大きくなってしまうと言えます。
漠然とした希望価格のでは、実際に買い叩かれているのかどうか不明な場合も多いですので、まずはM&A仲介会社にご自身が経営する事業や会社の価値算定を依頼すると良いかと思います。
情報漏洩
実際に現在の日本で行われている中小企業のM&Aの実態は、後継者不足や人手不足によるものが多く、ネガティブな意味は少ないのですが、世間的なイメージとして「事業や会社の売却」は、ネガティブなイメージを持たれてしまうことが少なくありません。
このような情報が漏れてしまうと、会社としての信用にも関わってくる問題です。
また、M&Aは会社の機密情報に当たる情報です。
上場企業ではなくても、経営戦略の話に直結しますので、情報管理の統制は確認しておくと良いでしょう。
敵対的買収のリスク
映画や小説で描かれるM&Aは、必ずといってよいほど、「敵対的買収」の形です。
これは株主が複数人いる場合に起こりうるリスクですが、日本の多くの中小企業では、株主と経営者が同一であったり、株主が同族で固められていたりすることが非常に多いため、敵対的な買収が起こりにくい状況のため、実際のM&Aの現場では起こりにくいリスクとなります。
M&Aのリスク種類(買い手)
簿外債務や不要な資産の存在
M&Aの買い手側のリスクとして一番大きなものは、買収した後に発覚する簿外債務(決算書上では隠れていた債務)や必要のない資産があったなどの、想定していなかった資産や損失があった場合です。
普通は全て決算書に書かれているものですが、現金での資産保有や、不明瞭な節税対策などを行っている法人に関しては、ないとは言えないのが簿外債務や資産です。
このような事態を避ける為にM&Aを実行する際には、契約書を締結する前の段階で、買い手側主導でデューデリジェンスという監査が行われることが一般的です。
多額ののれんから生じるリスク
多額ののれんについても、買い手にとっては気にしておきたいリスクです。
M&Aを実施するにあたっての買収価格には、「のれん」と呼ばれるノウハウやブランド、優良顧客との関係などの目に見えない”資産”の価格が上乗せされます。
売り手にとっては、財務諸表異常の価格で譲渡できるので喜ばしいことですが、買い手にとっては後々大きな問題をもたらす可能性があるのです。
日本の会計のルール上、のれんは毎年少しずつ費用へと振り替えていくことが必要になるので、多額になると利益を圧迫します。
譲受けた会社や事業の詳細な収益性や将来性は、譲受けてから明らかになります。
そのときに、のれんの金額が成果と比べて過大評価となっている場合には、一気に損失として処理(減損)しなければなりません。
そのため、シナジー効果などの期待分、過大評価をして譲受けてしまうと、買収した事業の採算は取れているとしても、会社全体として、利益が圧迫され、減損のリスクを抱えることになります。
M&A自体の失敗ということにもなりかねませんので、「のれん」のリスクはとても大切です。
資金調達のリスク
M&Aにおける資金調達のリスクとは、M&Aで買い手となる場合、M&Aを実施するのに必要な資金を調達できないリスクのことを指しています。
売買ですので当たり前ですが、買収にかかる費用の調達ができなければ、M&Aは破談となります。
経営再建が失敗するリスク
M&Aでは、買い手側は経営不振に陥っている会社を買収する場合もありますが、その買収を実行したあとに、経営再建がうまくいかないということも当然としてあります。
この経営再建の失敗も買い手側のリスクといえます。経営が上手くいっていない会社や事業を買うわけですので、再建が失敗すれば赤字という形で反映されます。
経営統合に失敗するリスク
M&A自体が完了したとしても、どんな事業であれ立ちはだかる課題が「経営統合失敗のリスク」です。
もともとは異文化として成長してきた両社が、一つの会社となるわけですから、譲受け前には想定できなかったような問題が起こりうる部分です。
事業のシナジー効果を高めるために必要なビジネスの部分以前の、文化となる部分も含めての統合のため、時間と労力がかかり、最悪の場合人材が流出してしまうリスクもあります。
この部分はおざなりにされることも少なくありませんが、M&Aの本質的な成功を導くためには、専門家を交えて遂行する必要があるでしょう。
M&Aのリスク回避について
売り手側
事業や法人を譲渡したり売却する経験は何度もあるわけではありません。
大抵の場合、売主となる経営者様は初の経験となります。
事業を譲渡したい先や、譲受けてくれそうな先の経営者様との人脈があったとしても、M&Aの直接交渉は上手くいかないケースがほとんどです。
また、煩雑な手続きや業界特有の手続き等も必要になりますので、ぜひM&Aの専門家であるM&A仲介会社をご利用くださいませ。
買い手側
M&Aで買収をするとなった場合には、対象の事業や法人が譲渡の意欲があるかどうかの確認から必要になります。
現在ではインターネット上でのM&Aマッチングサイトなども盛り上がりを見せていますが、多くの譲渡案件がマッチングサイト上に出ていないこともご存知かと存じます。
やはり、M&Aの情報はM&A仲介会社に集まるので、こちらをご利用いただくのが無難かと思います。リスクを回避するという面でも、M&A仲介会社にいるM&Aアドバイザー(コンサルタント)は、百戦錬磨です。
当社のように業界に特化したM&A仲介会社も多く存在しますので、一度ご相談いただくことをおススメいたします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。M&Aはほぼ全ての経営者様にとって、あまり経験することのない事柄です。
しかし、後継者問題が顕著になり、働き手の人材不足が叫ばれる中では、「会社の出口」としてのM&Aはより身近で、より現実的な選択肢となってきています。
その際には、上記のリスクを排除するため、ぜひM&A仲介会社にお問い合わせくださいませ。
当社は、医療・介護・福祉事業に特化したM&Aアドバイザリー会社です。病院やクリニック、調剤薬局、介護事業など業界に該当する様々なM&Aを手がけております。医療・介護・福祉事業のM&Aをご検討であればお気軽にお問い合わせくださいませ。
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