法人名義の資産の争点
何気なく法人名義で所有している資産。
M&A交渉にて争点となるケースが多々有ります。
薬局の店舗数が、20店舗を越える規模の法人であれば、
ほとんどの場合で完全に別になっているお話となりますが、
店舗数が5店舗程度までの法人で有れば「法人のお金」と「代表者個人のお金」に、
はっきりとした線引きがされていないケースが多々あります。
役員報酬でそれなりの金額を法人から取りながら、
突発的に法人のお金が回らない場合には、
代表者が個人のお金を会社に入れて(会社に貸し付けて)資金繰りを回している。
このような法人は、調剤薬局業界では少なくありません。
このように個人のお金を法人に貸し付けるという形をとっている場合、
決算書には”それなりの金額”の「代表者からの借入」が計上されていることでしょう。
(この形が良いか悪いかはまた別のコラムで触れたいと思います)
「法人のお金」と「個人のお金」、「法人の持ち物」と「個人の持ち物」
が明確に色分けがされていないような中小企業では、
「会社の資産」として「代表者個人の持ち物と推測されるもの」が決算書に計上されているケースもあります。
内容によって様々ございますため、
明確なパターンや事例を多々ご紹介するのはここでは避けますが、
今回は、法人所有の土地と建物についての事例を挙げさせていただきます。
調剤薬局業を始めるにあたって、
土地や建物を法人で所有するケースは珍しくありません。
土地や建物といった不動産については、
安い金額で購入できるものではありませんので、
法人で借入をして購入している場合も多いでしょう。
では、調剤薬局(を運営する法人)を手放す際に、
その法人名義で所有している土地建物はどうするのが適切でしょうか。
薬局を譲渡する売主様の気持ちを考えれば、
薬局事業と一緒に引き取って欲しいと考える方が一般的です。
特に土地の場合は減価償却がされませんので、
決算書には土地購入時の金額が「そのまま」乗っています。
「購入時のこの金額で買ってもらえれば・・・」
このような心情になるであろうことも十分理解出来ます。
土地の価格が上がっていれば問題無く、
このような不動産も一緒に買収されるのでしょう。
しかしながら、現在の日本、
特に地方では、地価が値上がりしているケースの方が珍しく、
多くの場合、調剤薬局設立時に購入された土地の価値が下がってしまっています。
また、M&Aの評価に形の無い「営業権」を取り入れる場合、
決算書上に計上されている、形有る資産の数字をそのまま評価することは困難を伴うケースがございます。
そのため、土地建物の買い取りを希望される譲渡案件の場合、買い手候補の法人様からは、
多くの場合
「この土地建物も一緒に買い取らないといけないのか?」
このように確認されることとなります。
「不動産を買い取ることが絶対条件」ならば買収は不可能というケースも有り、
土地建物の処遇はM&Aが成就するかどうかの大きなポイントと言えます。
では、買い手候補が不動産の買収に難色を示した場合、
不動産の買い取りは諦める、もしくは評価を下げるしか無いのかといえば、
致し方ない場合も有りますが、取り得る手法は様々ございます。
この手法は完全にケースバイケースであり、
一つ一つの事例を挙げてご説明するよりは、
一旦ご相談いただき貴社事例等を踏まえてご説明させていただく方が、
ご納得いただきやすいかと存じます。
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