薬局を承継した後に、経営者が残留するケースがあります。
今回は弊社で承継された元オナーの方がどいうったかたちで残留をされたのかについて事例紹介をいたします。
【ケース1】譲渡側薬局オーナーのご息女が事務として残留
M&Aの対象と残留した方
- 店舗数:2店舗
- 譲渡形態:株式譲渡
- 売上:2店舗で1.6億円
- 買手:準大手調剤薬局
- 譲渡後のオーナー状況:引退
- 残留した方:オーナーのご息女(事務)
詳細
オーナー、ご息女ともに非薬剤師で薬局を運営していましたが、報酬改定、薬価改定の影響とコロナの影響で引退を検討。
オーナーは引退の決意は固く、薬局事務として業務していたご息女も当初はオーナーと一緒に退職予定でした。
譲渡を進めるなかで、買い手法人より薬局で業務していたご息女は是非そのまま継続し働いてもらいたいとのご意向があり、ご息女も継続勤務を決断。
譲渡後も、買い手側の担当者と薬局運営についての窓口として活躍されています。
所感
買い手側法人も、薬局のことを熟知し相談しやすい方に残っていただいたほうが運営がやりやすいと感じて、薬剤師ではない方でも残留を希望されるケースも増えています。
M&Aの場合、経営者一族は引退しなければならないと思っている方も少なくありませんが、実際は運営面を重視し、買い手側から残留の意向をいただくケースも多くあります。
【ケース2】譲渡後、オーナーが管理薬剤師として残留
M&Aの対象と残留した方
- 店舗数:1店舗
- 譲渡形態:株式譲渡
- 売上:1店舗で2億円
- 買手:地場中堅調剤薬局
- 譲渡後のオーナー状況:管理薬剤師として残留
詳細
1店舗1法人、経営者兼管理薬剤師として15年運営してきたオーナー。
人材の確保や薬価交渉等薬剤師以外の業務の負担が増え、経営からは退きたいとの希望から譲渡を決断。
買い手側としても採用が難しいエリアということもあり、また、Drとの今までの関係性から残留に関しては問題なくスムーズにクロージングをむかえました。
現在は管理薬剤師だけでなく、そのエリアのマネージャーとしての役割も担い活躍しています。
所感
経営に疲弊し譲渡の選択をする方も非常に多くいます。
本案件のオーナーも同様で譲渡後は勤務薬剤師として勤務していましたが、買い手法人からその経験を活かしエリアマネージャーとしての勤務を打診され受諾しました。
一件、業務が増えるため譲渡前の悩みと同様ではないか、と思うかもしれませんが、新しい働き方に大変喜んでおられました。
経営者としての苦悩は、非常に重たかったんだと感じた案件です。
【ケース3】法人譲渡後、非薬剤師のオーナーが顧問として残留
M&Aの対象と残留した方
- 店舗数:1店舗
- 譲渡形態:株式譲渡
- 売上:1店舗で4億円
- 買手:大手調剤薬局
- 譲渡後のオーナー状況:顧問として1年残留
詳細
1店舗1法人、非薬剤師の代表が運営、自身の年齢と後継者がいないことから譲渡を検討されました。
代表としてはクロージング後は退くつもりでいましたが、クロージング直前で、買い手法人より顧問としての残留を提示されました。
買い手法人としては処方元と強固な関係を構築したい希望があり、それには間には医いて頂く方が必要と考えたようです。
クロージング後1か月は週3日ペースで薬局に出社し買い手側マネージャーと引継ぎを行い、そのあとは不定期にて相談に乗るような働き方を行っています。
所感
こちらも買い手法人より残留の希望をいただき、残っていただいた案件です。
当初オーナーは譲渡後は早く薬局からは離れるべきと考えていたようですが、薬局のこと、買い手法人のこと、処方元のことを考え残留を決意されました。
オーナーとしても、勤務に日数も減り、経営に関しての悩みからも解放され、急に暇を持て余すこともなく、非常に喜んでおられます。
薬局を譲渡したからといって、必ずしも経営してきた薬局から離れなければならないことはありません。
先ずはお気軽にCBコンサルティングへご相談ください。