はじめに
少子高齢化社会の進展により、調剤薬局のM&Aが増加しています。
しかし、調剤薬局のM&Aを成功させるためには、そのためのポイントを理解しておく必要があります。
そこでこの記事では、調剤薬局のM&A増加の背景を解説するとともに、M&Aを成功に導くポイントも合わせて解説いたします。
ぜひ、参考にしてみてください。
調剤薬局の現状について
少子高齢化社会を迎えた現在、調剤薬局業界は下記の状態にあります。
・全国の調剤薬局が増えている
・薬剤師の数の問題が存在
それぞれの現状について更に詳しくみていきましょう。
全国の調剤薬局が増えている
少子高齢化により日本は人口減少社会を迎えています。
しかし高齢者の増加を背景とする医療ニーズの拡大により、調剤薬局数はわずかながら増加しています。
『平成30年度衛生行政報告例の概況』(厚生労働省)によれば、平成30年度末現在の薬局数は59,613施設で、前年度に比べ475施設(0.8%)増加しました。
中小調剤薬局の廃業等があるものの、高齢化社会到来による医療ニーズの拡大を背景に、大手調剤薬局中心に出店意欲は旺盛であり、調剤薬局は増加を続けています。
参考資料:厚生労働省『平成30年度衛生行政報告例の概況』薬事関係
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/18/dl/kekka5.pdf
薬剤師の数の問題
高齢化社会到来を見据えた国の政策もあり、2000年半ば以降に各大学で薬学部が新設され、薬剤師の年間の供給人員は以前に比べ増加しました。
ただし高齢化社会の進展による調剤薬局やドラッグストアの増加もあり、薬剤師の活躍できるフィールドは増えており、中小企業での現状は薬剤師不足の状態です。
それでも薬剤師不足は徐々に解消されつつあり、将来的には薬剤師余りの時代が到来する可能性もあると言われています。
調剤薬局のM&Aが増えている理由とメリット
高齢化社会到来による医療ニーズ拡大とともに調剤薬局の数が増加する中で、調剤薬局のM&Aが増加しています。
「調剤薬局を譲渡したい企業」及び「譲受したい企業」、それぞれの理由とメリットを次に解説します。
調剤薬局を譲渡したい企業
調剤薬局業界は中小企業が運営する薬局が大半を占めており、業界全体の売上における大手の合計市場シェアは十数%に過ぎません。
高齢化社会到来の影響は調剤薬局業界にも及んでおり、これまで調剤薬局を経営していた薬剤師の引退が相次いでいます。
しかし引退に際し、廃業を選択することは取引先や社員に負担を強いることになります。
よってM&Aを活用し他社に調剤薬局の譲渡を行うことで、事業承継を行う中小調剤薬局も増加しています。
調剤薬局を譲受したい企業
先述したように、調剤薬局業界は中小事業者が多数を占める状態にあります。
大手調剤薬局運営企業は、業界内外のシェア拡大に向け積極的な投資を行っていますが、
薬剤師不足もあり思うような市場シェア拡大ができていません。
M&Aは他の調剤薬局の買収による商圏拡大に加えて、薬剤師の人材確保も期待できる一石二鳥の手段です。
特に調剤薬局は薬剤師という有資格者の存在が不可欠であり、調剤薬局の買収は他の業界以上に人材採用面でのメリットがあります。
調剤薬局のM&Aを成功させるには
調剤薬局のM&Aを成功させるためのポイントとして、下記3点があげられます。
・相場を理解する
・調剤薬局のM&Aにかかる期間を逆算する
・検討に入ったらすぐに査定をしてもらう
相場を理解する
M&Aを行う際は買い手と売り手で企業の価額交渉が個別に行われます。
ケースバイケースの部分が多いものの、事業規模や財務状態などから一定の相場観は形成されています。
純資産価額方式をはじめとして様々な算定方法がありますが、最終的には概ね類似の着地点となり、
相場といっても、ある程度価額の幅を持った算定となります。
よってM&Aを検討する際は譲渡側及び譲受側の双方ともに、一定の相場観を踏まえることがスムーズな交渉に繋がります。
調剤薬局のM&Aにかかる期間を逆算する
後継者問題により企業の売却を検討する場合は、特に期間を逆算した上での検討が必要です。
M&Aが約定するまでの期間はケースバイケースの部分もありますが、
年単位の時間をかけて交渉を続けても最終的な合意を見出せないケースもあるため、
余裕を持った期間設定で動く必要があるためです。
最低限いつまでにM&Aを行う必要があるのか、またそのタイミングに向けた各プロセスごとの時間は充分確保されているか等、期間を逆算した上での検討が必要です。
検討段階に入ったらすぐに価値算定を依頼する
M&Aを行う際は売り手と買い手が直接交渉するケースもありますが、両者の間にM&A仲介会社や金融機関などを入れるケースが一般的です。
M&Aの具体的な検討に入る場合には、早い段階で実際にどの程度の価格で譲渡が見込めるのか、第三者の視点で算定することをお勧めします。
調剤薬局業界のM&Aでは、一般的なM&Aのように他業種から参入する目的での買い手が少なく、
基本的に調剤薬局内でのM&Aとなるため、買い手企業が限られる面もあります。
よって時間の経過とともに、売り手側の競争が発生し、
価額交渉などにおいて不利な立場となる可能性もあるため注意が必要です。
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調剤薬局の譲渡を検討する際は、まずは価値算定からご相談ください。
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