次回報酬改定まで残り5か月と迫る中、
平成29年10月25日に財政制度等審査会・財政制度分科会が行われました。
焦点となる平成30年4月の診療報酬改定については、
財務省からは医療費の伸びを高齢化の範囲内に抑えるため、
2%半ば以上のマイナス改定が必要であるとの提案がなされました。
特に調剤報酬部分では
以下の点が今後の争点として挙げられています。
・かかりつけ薬剤師・薬局の推進が求められる中で、
かかりつけ機能を果たしていない薬局の報酬水準の引下げの適正化
・大型門前薬局に対する調剤基本料の引き下げの対象範囲拡大
・後発医薬品80%目標に向けた、後発医薬品調剤体制加算の基準引き上げ
実際、平成28年の報酬改定では、
大手チェーン(同一グループでの受付回数4万回/月以上)に属する、
いわゆる大型門前薬局については調剤基本料41点から20点への
引き下げが行われました。
しかし大手調剤チェーンのかかりつけへの取り組みなどにより、
引き下げの対象となった保険薬局は全体の1割にとどまったため、
財務省としては「不十分なものにとどまっている」との見解で、
処方箋回数が平均の1,158回/月を上回り、特定医療機関からの集中率が50%を超えるような、門前薬局・マンツーマン薬局を引き下げの対象にすべきではないか、との提案も挙がったようです。
マイナス改定の方向を打ち出すのは、この時期の一種の通例ではありますが、
かかりつけ薬剤師・後発医薬品の切替・面分業・在宅調剤・地域医療への参画などは、
前回改定から言われていることですので、実は方向性に大きな変化はありません。
つまり、前回の調剤報酬改定でどれだけ方向転換できたか、
が厳しく問われる改定になるのかもしれません。
方向性が正しいかどうかは別の議論になりますが、
いずれにせよ、2025年に向けては、現状維持では足りず、
大きな変革は求められ続けるのだと思います。