政府の原案
6月11日、政府は経済財政諮問会議にて、経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針2019の原案を示しました。
この原案は、次回改定の骨子になるものであり、厚生労働省の薬局KPI調査と合わせて、薬局経営者様として読み取っていく必要があります。
今回の原案では、地域におけるかかりつけ機能に応じた評価や、対物業務から対人業務への転換の推進を検討する方針が打ち出されました。その中で、調剤実態や現行の報酬体系を踏まえ、調剤料等の技術料について適正に評価し検討すると示されました。
かかりつけ機能に応じた評価と対物業務から対人業務への転換について
これに関しては、以前のコラムでも記載させて頂いた薬局KPI調査と密接に関わってくると推測できます。
4つの項目がございましたが、
それは以前のコラムをご参照ください。
どの項目も、かかりつけと対人業務へのシフトということが結びつき、また昨今声高に叫ばれている薬局の機能分化とも結ぶ付けられるでしょう。
各薬局、対応に追われ対策を練っている経営者の方々も多くいらっしゃるでしょうが、出来る部分と出来ない部分とが浮き彫りになっているのではないでしょうか。
特に一番ネックなのが、人員の部分です。
どうしてもかかりつけや対人業務にシフトしようとすると、マンパワーが必要になります。具体的に多くお話を伺うのは、在宅を行わなければならないのは分かっているが、どうしてもマンパワーが足りないという声です。
結局人手が足りない為に、経営者様自らが、社長業を控えて在宅に奔走している薬局様が多い印象です。
調剤実態に則した調剤料等の技術料の評価の検討について
この部分はいわゆる0402通知に係る部分と推測できます。
皆様もご承知でしょうが、厚生労働省が4月2日付の通知にて、薬剤師の監督下で薬剤師以外の者が行える業務の基本的な考え方を示しました。
これは上記の対物業務から対人業務への転換の一つとも言えますが、要はPTPシートの改善や、機械化により調剤業務はAIもしくは、薬剤師以外の人間でも取り扱えるようになったので、より一層対人業務へ向き合ってくださいという、国からのメッセージです。
よって、調剤料は見直し、対人への業務に関してはより評価しますと読み取れます。単に、調剤業務が軽減されるので薬剤師の人件費が削れると考えるのは間違いです。
もちろん、対人業務へのシフトがうまく行えない薬局様は、薬剤師の削減に踏み切るのでしょうが、そう簡単に削れるものではないことは、皆様もご認識されていることでしょう。
各薬局様は、このメッセージをどう受け止め、どう動くかが今後の他薬局との差別化・生き残りにつながってくるのではないでしょうか。
18年度大手薬局チェーンのM&Aの実績に関して
ここで最後じほうがまとめていた18年度のM&A実績に触れておきます。
じほうが上場薬局主要5社を対象にした調査の結果、
M&Aで取得した店舗数は、2018年度は計225店舗であったようです。
16年度は440店舗、17年度は63店舗なので、昨年は前々年度と比べるとM&Aが進んだとみて取れます。
私たちの肌感覚では、M&Aは進んでいるものの、大手薬局チェーンの買収対象店舗の目線は高まり、中堅規模の薬局様も同じように高まっている印象です。
このような流れの中で個人承継も進んできておりますが、個人の資金力は法人に比べると下回る可能性が高いことが一般的です。
引退後の経営者様の生活もございますから、経営者利潤を求めつつ、優良な後継者へ引き継ぐのもリミットが近づいてきていると感じております。M&Aは事業承継・事業発展の選択肢の一つです。
先ほど、今後どのように動いていくか、他薬局との差別化・生き残りはどう図っていくかと述べさせていただきましたが、まずは動くことが重要です。
いろいろと考えを巡らせている方が多いと思いますが、我々はM&Aの仲介ですから、この観点からは専門的に寄り添うことが可能です。
各薬局様の状況により、買収も売却時期も適切なタイミングは異なります。事業承継に関しては、誰にも相談できない状況だと思います。おひとりで悩まず、是非一度お気軽にご相談ください。
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