2022年の調剤薬局業界はめまぐるしく変わりましたが、2023年はどの様になっていくのでしょうか?
現状と今後の動向に迫ります。
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超高齢化社会とこれからの調剤薬局
日本の人口は、これから超高齢化社会に突入する反面、少子化が進み、2025年には65歳以上の高齢者が30%を超える「25年問題」に直面します。
「25年問題」により、医療や介護などの社会保障に影響が出てくる可能性が否定できません。
高齢者が増えることで医療機関の利用者が増え、医療業界の未来は明るいように感じますが、収益の半分以上を国の医療費で賄っている業界のため、社会保障の影響は他の企業に比べて大きく、調剤薬局についても安心はできません。
では、これからどのような薬局が求められているのでしょうか?
在宅医療や地域ケアサービスとの連携
超高齢化社会に対応していくためには、在宅医療の整備を進めていく事が急務です。
以前までは、窓口に薬を取りに来ることが当たり前でしたが、徐々に在宅医療が進んできており、
最近では在宅医療を取り入れている薬局も増えてきております。
在宅医療を取り入れている薬局が増えてはいるものの、訪問薬剤管理指導を実施している企業は2割以下とも言われております。
在宅医療を推進し、より体制を整えていく必要があり、そのためには病院や介護サービス等との連携を図り地域包括ケアの一員として、積極的に在宅に向き合う必要があります。
薬剤師が求められる役割
薬局業界に求められていることは、在宅医療の推進など、さまざまありますが、同時にこれかの薬剤師も変化が求められてきます。
今までは処方箋を受け取りその通りに薬をお渡しする事が仕事の一環でしたが、薬剤のプロとして利用者様の健康管理のために、医薬品だけでなく、それ以外の保険・健康関連商品についての供給も含めて身近な相談役としての役割を担っていく必要があります。
これからは薬剤師一人一人のコミュニケーション能力や健康に対する知識を身に着けていき地域の方に信頼される薬剤師になっていく必要があるでしょう。
加速する薬局業界のデジタル化
2022年はオンライン診療、オンライン服薬指導、オンライン資格確認、電子処方箋、Amazon参入など、デジタル化に向けた足掛かりが進んできて、2023年1月から電子処方箋の運用がはじまりました。
本格的に浸透するのはまだまだ時間がかかるかもしれませんが、ここ数年でオンライン化のスピードはますます加速することが予想されます。
2009年にiphoneが発売して14年経ちますが、何人の人がスマートフォンがここまで一般的に普及すると思っていたでしょうか?
今では薬局業界のデジタル化もまだまだ普及するのは先のことだろうと考えている人が大半だと思いますが、一般に浸透するのはもうすぐそこかもしれません。
2023年のM&A
現状のM&A動向は、新型コロナウイルスや薬価改定、デジタル化等の外的要因により経営が悪化してきている中小規模の薬局は、M&Aを活用し地場大手、業界大手の傘下に入る事例が多くなっております。
業界大手の薬局も薬価改定に伴う収益源を補うため、積極的に買収による規模の拡大を図っています。
2023年1月にはクオールHDが栃木県を中心に調剤薬局38店舗を運営しているパワーファーマシーの株式を取得しました。
2023年になってもこの流れは変わらず続いていく事が予想されます。
CBグループにおいても、M&Aに関するご相談は増えてきております。
ご相談がございましたら、お気軽にご相談ください。
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