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スタッフコラム

M&A後に 『 残留 』 するという選択肢


M&Aを考えるにあたり、売却した会社に『残留』するという選択肢を考えたことはありますでしょうか。「M&A=引退」と考える経営者様は多くいらっしゃるかと思いますが、M&Aには様々な形が存在します。今回のコラムでは、M&A後の元経営者様について、お話しいたします。

M&A後、経営者はどのように過ごしている?

元薬局経営者の事業譲渡 後の動向

当社では、M&A後の元経営者様の動向についてアンケートを実施したことがあります。結果はグラフの通りです。
一番多かった項目は「ゆったりとした時間を愉しむ」で全体の24%、次いで「経営していた薬局に顧問・非常勤等で残留」が全体の22%を占めていました。引退した方が仕事から離れて余暇の時間を満喫するというのは、多くの方が想像されるとおりかと思いますが、それとほぼ同じ割合で、『残留』して売却した会社に何らかの形で関わるという選択をとる元経営者様も多くいらっしゃることがわかります。『残留』といっても様々な形がありますが、元経営者様はどのようなポジションで残留するのでしょうか。いくつかのケースを紹介いたします。

【case.1】サラリーマン社長として現場の指揮を執る

会社を売却した後も、社長の肩書のまま残るケースです。まだまだ引退するには早い、会社も成長させたい、しかし厳しい業界の変化にこれから一人で立ち向かっていけるのだろうかと、不安を抱えている経営者様はこの方法を選択されることが多いようです。
実際にこちらの方法で残留した社長にお話を聞く機会がありましたが、「生き残る薬局にしていくために設備投資などをしていかなければならないと考えたとき、資本力のあるところと一緒にやっていくことを考えた」と仰っていました。社長がそのままの役割で残っているので現場や処方元など関係先の混乱もなく、引き続きバリバリ仕事をなされている様子でした。

【case.2】顧問としてフォローを行う

第一線からは退くものの、M&A後のフォローというような形で関わるケースです。M&Aを検討するにあたり、「処方元との関係性」が障壁となる経営者様はこの方法を選択されることが多いようです。

  • 「処方元の先生にはお世話になったので、自分だけ完全引退することは気が引ける」
  • 「気難しい先生なので次の経営者様と会ってくれないかもしれない」

こうした不安を持たれる経営者様は大変多くいらっしゃいます。M&Aを行う際、綿密に打合せのうえ処方元への告知を行うため、ほとんどの場合は無事にM&Aが完了します。一方で、処方元への告知が非常に難しい場合の対応策として、会社は売却しつつも経営者様に『顧問』(肩書は様々)として残留していただき、処方元との窓口を担っていただくケースがあります。買手先を処方元に紹介するタイミングや方法は状況によって異なりますが、処方元とトラブルになるリスクを可能な限り低くしたM&Aができます。

【case.3】薬剤師として働く

引退後、いち薬剤師として仕事を続けるケースです。社長業や経営には疲れたが、まだ仕事は辞めたくないと考える経営者様はこの方法を選択されることが多いようです。この場合、管理薬剤師として残られるケースもあれば、週2~3日勤務のパート薬剤師として残られるなど、働き方は様々です。
実際に、「長年経営者をやってきたが、採用活動や人事面でのストレスから解放されたい。最後は一人の薬剤師として患者さんや地域と関わっていきたい」という理由で譲渡された元経営者様は、現在もパート薬剤師として勤務していらっしゃいます。

残留するためには買手先との交渉が絶対

今回は、経営者様がM&A後に何らかの形で『残留』するケースを紹介いたしました。
経営者様が残留するには、いずれのパターンも買手先の理解が必要です。買手先にとっては通常のM&Aとは異なるイレギュラーな対応になりますので、十分なメリットを感じられるように交渉を行う必要があります。残留交渉について当社ではスキームを組み立てており、双方向にとってメリットのある着地点を模索いたします。

もし経営者様がM&Aにあたり何かしらの悩みを持たれている場合、『残留』という方法で解決できることがあるかもしれません。M&Aについてのお悩みやM&Aについてのご不明点などございましたら、お気軽にご相談ください。

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