事業の売却に係る消費税
調剤薬局のM&Aでは、株式譲渡もしくは事業譲渡が採用されることが一般的ですが、
事業譲渡に係る営業権等には売手様においては消費税の課税対象資産となりますので、基本は消費税が課されます。
「基本は」としているのには理由があり、消費税の課税事業者かどうかの判定は、
・前々年度の課税売上高が1,000万円を超えている
・前年度の第一・第二四半期の売上高が1,000万円を超えている
のどちらかに該当する場合に課税事業者となり、消費税の納税義務者となります。
一般的に、調剤薬局の主な収入源である、調剤売上は消費税法で非課税売り上げとなることから、納税義務者となっている法人は少ないかと思います。
その為、事業譲渡を行う期において、納税義務者でない場合には、
その営業権に係る消費税を納付する必要はありません。
しかし、店舗数が多い法人や、OTC販売を積極的に行っており、
納税義務者に該当する法人の場合は、営業権や固定資産の売却金額は課税売上として、消費税を支払う必要がある為、注意が必要です。
また、事業譲渡を行ったことによって、課税売上が1,000万円を超える事業者が大半と思いますので、
その場合、翌期もしくは翌々期で、消費税の課税事業者となりますので、OTC売上等に係る消費税の申告が必要となります。
その際は、消費税課税事業者届出書を所轄の税務署へ提出する必要があります。
事業の売却に係る法人税
事業を売却するにあたっては、当然譲渡益がでますので、法人税が課されます。
例えば、営業権2,500万円、固定資産500万円での売却を行う場合、
営業権 + 固定資産の売価 – 固定資産の残存簿価 = 譲渡益
で譲渡益を認識します。
その際の譲渡益が2,600万円だったと仮定します。
実効税率を30%とすると、780万円が納付すべき金額となります。
もちろん、事業譲渡を行った期で赤字であったり、繰越欠損金があった場合は相殺が出来ますが、
優良法人である場合は、税金を支払う必要があります。
事業譲渡の場合で節税を行うとしたら、ある役員を退職させ、役員退職慰労金で益金と損金を相殺するのが一般的でしょう。
事業の売却に係る印紙税
事業譲渡の契約書には印紙を貼付する必要があります。
印紙税法上の1号文書となりますので、
10万円以下の契約金額であれば200円、
50億円を超える契約金額であれば60万円の印紙を貼付しなければなりません。
印紙を貼ることを怠った場合、本来の税額の1.1倍もしくは3倍の過怠税を支払う必要があり、
こちらは法人税算出に当たって損金となりませんので、忘れずに貼付してください。
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