話をするタイミング
調剤薬局の譲渡の話は、売手と買手だけで進む訳ではありません。
処方元、株主、従業員、家主・・・。様々な利害関係者に、どこかのタイミングでは話をしないといけません。
特にマンツーマンスタイルの調剤薬局の場合、処方元への相談は極めて重要です。ここがクリアにならないと、買手が事業を継続できなくなる可能性するあります。
では調剤薬局のM&Aにおいて、売手のみなさんはどのタイミングで話をしているのでしょうか?
「買手が見つかり、条件調整が終わり、譲渡契約書を締結した直後」
というのが、最も一般的です。
全体の流れから見ると、かなり終盤と言えます。
なぜ最後に話すのか?
「処方元にはお世話になっているから、真っ先に話した方がいいのでは?」
とお考えの経営者様もいらっしゃると思います。心情的にはよく分かるのですが、事前にそういった話をしてしまうと、
・処方元が自分で後継薬局を連れてきてしまう
・話が漏れ、職員が不安を感じて譲渡前に退職してしまう
というような不都合が生じるケースが多いので、可能な限り事前相談は避けた方が無難です。
ただ、日々のコミュニケーションの中で、
・(自分に)後継者がいないので、将来は誰かに任せようと思っている
・薬剤師の採用が難しく、運営に苦労している
・薬局の収支が悪く、この先厳しい
というような、経営課題のご相談はされておいてもいいかもしれません。そういった”前振り”があれば、いざ譲渡が決まった場合にも緩衝材になります。