高齢者の定義を75歳以上に!
2017年1月5日に日本老年学会・日本老年医学会が高齢者の定義変更について提言しました。
65~74歳 准高齢者
75~89歳 高齢者
90歳~ 超高齢者
今までの高齢者の定義は「暦年齢65歳以上」とされていただけに、10歳増加の大幅な変更は社会にインパクトを与える内容となりました。
定義変更の主な理由としては、
・従来の定義による高齢者を、社会の支え手でありモチベーションを持った存在と捉えなおすこと
・迫りつつある超高齢社会を明るく活力あるものにすること
が挙げられています。
その根拠になる部分は、
・従来の65歳以上の定義に医学的・生物学的根拠はないということ
・平均寿命の延伸と「若返り」現象がみられること
が挙げらています。
統計データから分かること
こういった変更にいたる背景として、総務省統計局がデータが開示されています。
総人口は平成23年以降から継続して減少しています。平成29年9月15日で総人口は1億2671万人、前年より21万人減少しています。一方で、65歳以上の高齢者人口は昭和25年以降、一貫して増加しており、平成24年に3000万人を超えています。平成29年9月15日では3514万人、前年より57万人増加しています。
総人口に占める高齢者人口の割合は27.7%となり、過去最高となりました。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、この割合は今後も上昇を続け、第2次ベビーブーム期(昭和46年~49年)に生まれた世代が65歳以上となる平成52年(2040年)には、35.3%になると見込まれています。
一方で、今の65~74歳と、昔の65~74歳は心身の健康度合いが異なり、健康状態を維持できていることがわかってきています。内閣府の調査「何歳以上を高齢者とするか」でも、70歳以上または75歳以上を高齢者と考える意見が多い結果になっていることからも、社会の意識が変化していることが伺えます。
定義を変更することでどんな影響があるか?
定義を変更の提言がされた際にインターネット上ですぐに反応がありました。それは、
「医療費の負担にも影響があるのではないか?将来的な医療費負担への地ならしではないか?」
というものです。
医療費の負担については、すでに動きがあります。
2018年8月1日から70歳以上の医療費自己負担限度額が変更になっています(厚生労働省保険局から引用)
上記から分かるように、すでに年収に応じた負担割合の変更が進んでいます。
いずれは、上限額だけではなく、医療費の自己負担割合が年収によってきまる時代になるかもしれません。
薬局に与える影響とは?
患者の自己負担額が個人の年収によって異なる場合、薬局に与える影響として
・世帯収入が低いエリアでは、患者の自己負担が少なくなるためその場での売上回収額が小さくなります。したがって、運転資金が多く必要になると考えられます。
・世帯収入が高いエリアでは患者の自己負担が多い為、受診頻度の低下が起こると推測されます。
薬局を経営していく上で、少数店舗では生き残るのが難しい時代になっていくことでしょう。
そういった時代が来ること想定して、今からアクションを起こしていくことで5年後、10年後の経営状態がどうなるかを決めることになりそうです。
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