薬局を承継開業するとイメージしたときに、あなたはどのような情景を思い浮かべますか。
薬局を承継し経営をしていく上で、メリットやデメリットをしっかり理解しておく必要があります。
薬局承継開業にどんなメリットやデメリットがあるのか
■新規開業と承継開業の違いとは
薬局の開業には、何もないところから始める「新規開業」と、既存の店舗を譲受して始める「承継開業」のどちらかになります。
一般的に新規開業は、新規で開院されるクリニックの処方元ドクターからお声掛けいただき、近くに薬局を開局されることが多いと言われています。
一方、承継開業は、何かしらの理由で譲渡を検討された既存の調剤薬局を、開業または拡大を希望している方が譲り受け、経営を継続します。
■承継開業のメリット
新規開業とは異なり、承継開業には以下の様なメリットがあります。
- 引き継いだ初月から売上・収益の見込みがたつ
- 目安となる売上高、年間技術料、処方箋枚数が分かるため事業計画が立てやすい
- 処方箋機器や棚などの備品を引き継ぐこともできるので、全てを一から準備する必要がない
- 新規で開業するより返済見込みの実現性が高いので融資が受けやすい
■承継開業のデメリット
基本的には現状のままを引き継ぐため、建物や設備などは自身の好みのものではありません。リフォームをされる方もいますが、その分費用も発生します。その他にもデメリットがいくつかあります。
- 処方元との関係性ができあがる前からのスタートになる
- 科目や場所、時期が限られる
- 主に株式譲渡の場合、負の遺産を引き継ぐこともある
■コロナ禍において開業する人はどんな考えの持ち主?
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける前までは薬剤師不足と言われ、好待遇の売手市場とされてきました。
しかし、2020年4月に緊急事態宣言が発令され、次第に薬局の収益が減少。
募集条件を見直す企業が増え、勤務薬剤師の給与相場が下がり始めました。
こういった環境の変化により、収入の増加が見込める独立開業を希望する薬剤師が増えてきました。
承継案件の中には、収益低下による企業からの切り離し案件などもあり、独立開業希望薬剤師は初期費用が抑えられると「リスクをチャンス」として捉え、開業活動を活発に行っている傾向があります。
ここは抑えておくべきポイント!リスクも潜んでいる薬局承継
薬局を承継した際、必ずしも承継前の売上金額が保証されている訳ではありません。
- 処方元が突然体調不良になり閉院を余儀なくされる
- 引き継いだ従業員が退職する
- 承継前に聞いていなかった問題が発生する
など、様々なリスクを想定する必要があります。
案件をご紹介するのは、あくまでもその時の状況の数値になります。
自身でどう経営していくのかを念頭におきながらシュミレーションする必要があります。
承継開業を理解したうえで、開業について再度考えてみる
上記で承継開業に関するメリットやデメリット、リスクについて理解していただけたかと思います。経営者になるということは、様々なリスクに責任をもつことでもあります。
今の自身の状況も踏まえ、現職に留まる、別の薬局に転職する、開業する時期について再度検討するなど今一度考えてみるのも一つの方法です。
情報収集をして、開業準備を整えましょう
承継案件を譲り受ける方法は、知人や仲介会社からの紹介など様々な方法がありますが、上部の「ここは抑えておくべきポイント!リスクも潜んでいる薬局承継」でもお伝えしたとおり、承継開業にはリスクも含まれていることを念頭に入れておきましょう。
また、承継におけるトラブルをなくすためにも、専門家である仲介会社を利用することをオススメします。
CBコンサルティングでは、薬局の個人承継実績が多数あり、様々な事例をお伝えすることができます。
是非お気軽にご相談ください。